これまでいろいろなIT関係の修理や調査をしてきましたが、ラズパイ(Raspberry Pi)には手を出してきませんでした。理由は単純で「ラズパイでやりたいこと」が無かったからです。
2022年についにやりたいことが見つかりました。我が家は中古で購入した戸建て住宅なのですが、それについていたシャッターを電動化するリフォームを行いました。シャッターは3か所でそれぞれに開閉するためのリモコンがついているかたちになります。これを毎朝開けて毎夜閉めるわけですが、そのたびに3か所分のリモコンのボタンを押す必要があります。
これはかなり面倒です。仮に50年暮らすと考えると
3枚 X 2回/日 X 365日 X 50年 = 109,5000
ということで、私が死ぬまで10万回以上ボタンを押す必要があるわけです。これはぜひとも自動化したいところです。
そこで、ラズパイの登場です。ラズパイに三台のリモコンを操作させて下記を実現します。
- 毎朝、指定した時間にシャッターを開ける
- 毎夜、指定した時間にシャッターを閉める
- シャッターの開閉をスマホからできるようにする
都合の良いことに、電動シャッターのリモコンはテレビなどで使用されている赤外線方式ではなく、電波方式となっており、シャッターのある部屋に置かなくても問題なくシャッターの開閉をすることができます。
購入したのはRaspberry Pi Zero WHというモデルです。これはラズパイの中でも小型で省電力のモデルです。
追加で購入したのは専用リレーモジュールでこれにより、電動シャッターのリモコンのボタンを電気的に押すわけです。
手順は以下で実施しました。
- 専用ソフトをダウンロードして、マイクロSDカードにRaspberry PiのOSをインストール
- マイクロSDをRaspberry Piに挿入して電源をUSBで接続して起動。
- 起動できることを確認したら、専用リレーモジュールにRaspberry Piを組み込み起動
- リモコンを分解して必要なリード線をはんだ付け
- 必要なソフトをインストール(home bridge等)
home bridgeはappleが提供するソフトウェアでiPhoneを使用して、様々な家電を制御するためのソフトウェアです - 設定を実施
- home bridgeの設定で、iPhoneからの開閉を設定
- crontabで指定時刻での自動開閉を設定
- 完成!
以下のショート動画にあるように無事に当初の機能を実装することができました。
工夫ポイントはcrontabで制御する際に、直接リレーモジュールを操作しないようにしたことです。home bridgeはシャッターの開閉状態を管理しています。つまり、2階にいてもiPhoneを見れば、1階のシャッターが開いているのか、閉まっているのかが分かるわけです。
しかし、crontabによる時刻起動の開閉でhome bridgeを介さずに直接リモコンを制御してしまうと、home bridgeが管理している状態が実態とずれてしまいます。
それを防ぐために、iPhoneを使用しない時刻起動でもhome bridgeを経由した制御をする必要があるということになります。
ラズパイのような省電力なマシンは常時起動するには最適なマシンと言えます。次回、利用方法を見出すのが楽しみになりました。