世界的に見れば日本の水道水の品質は高いと思いますが、水道水には独特のにおいがあり、残存する化学物質も気になるので、私は飲料用の水に関しては10年ぐらい前から蛇口につけるタイプの浄水器を使用していました。注文住宅であればビルトイン浄水器をお願いすれば何の問題も無く設置された状態で引渡されますが、建売住宅の場合は売主の設定しだいでビルトイン浄水器が装備されていたり、されていなかったりします。私の見た物件の傾向では、大手ハウスメーカが手がける建売住宅(お値段高め)の場合は装備されている場合が多く、その他の場合は装備されていないことがほとんどでした。
新居に越してきた当初は以前住んでいたところから持ってきた蛇口につけるタイプの浄水器をつけていたのですが、
- 蛇口につけるタイプはカートリッジの交換周期が短く面倒(私の持っていた機種は3ヶ月毎の交換)
- 新居に装備されていた蛇口が低めだったためにそこに浄水器をつけると水が出る場所が低すぎる
- やはりビルトイン浄水器の方がろ過能力が高い(と思う)
ということで、ビルトイン浄水器を設置することにしました。メーカについて知人に相談したところ、電気を使用するタイプ(アルカリイオン清水器)で無ければ、シーガルフォー/メイスイの取り扱いが多かったとのこと。値段を調べてみるとシーガルフォーは海外ブランドでお値段高め、メイスイは日本ブランドで値段も比較的安いことが分かりました。日本の物づくり信者の私としてはメイスイを選択。
メイスイではフィルターと浄水用の蛇口を数タイプ販売しており、組合わせて販売をしています。フィルターは一年毎の交換が標準で、フィルターのみ毎年買い替える形態となります。フィルターは各タイプごとにサイズを選択します。我家では標準的なフィルターと最もシンプルな浄水専用の蛇口の組み合わせを選択しました。家族構成は3人なのでサイズは85としました。
メイスイ 浄水器 カートリッジ M-85 3人以上 (10000L) 家庭用浄水器Ⅱ形
ネット通販の安いところで価格は4万円程度。フィルターのみだで1万円強です。
次に問題になるのが設置工事です。施工価格を調べてみたところ3万円から4万円となっています。さらに、通販で購入したものを施工する形は通常無く、施工業者から購入することになるので、浄水器の価格も高くなってしまいます。つまり自分で工事するのと比べて倍以上の出費になります。とゆうことで、当然自分で設置工事(DYIミニ工事)することとします。
DIYのための情報収集ですが、メイスイのホームページから詳細図面をダウンロードすることができます。一番重要な数値は取付穴径36mmというやつで蛇口を取付けるために、キッチンの 天板に36mmの穴を開ける必要があることが分かります。これにはホールソーという工具が必要で電動ドリルの先に装着して使用します。価格は大きな幅がありますが、36mmのホールソーなんてどうせ一回しか使用しないので、最も安いもの を購入です。(2000円程度)
マキタ(Makita) インパクト用ホールソー 外径36mm A-32306
次に現在の水道の状況を確認する必要があります。ビルトイン浄水器は既存の水道から浄水用のパイプに分岐して設置するからです。既存の蛇口の下の通常は収納スペースとなっている部分を覗きます。 我家の場合は以下の感じでした。
このような金属パイプで接続されている構造の場合は、基本的には追加の部品が必要となります。一方、ゴムホース(フレキ管)で接続されている場合は追加の部品は必要なく、浄水器に付属している分岐用の部品を挿入するだけです。金属パイプで接続されている場合は、 カクダイの分水用水栓上部(品番:7990)という商品を用意します。
カクダイさんの商品情報で商品を見ることができます。 これは既存の止水栓の上部だけを取り外して入替えることにより、止水栓の機能を残したまま分岐させることができるものです。注意事項は既存の止水栓の部分が約4cm長くなりますので、引出し型の収納の場合は、干渉しないかどうか事前に確認する必要があります。
さて、「金属パイプで接続されている構造の場合は、基本的には追加の部品が必要」と書きましたが、私の場合は浄水器が納品され、実際に工事をしようと思うまでそのことに気づいておらず、分水用水栓上部を購入していなかったため、金属パイプをカットするという荒業にでました。(かなり難しいので分水用水栓上部を購入することをお勧めします。)
まず、屋外に設置されている水道のバルブを閉めます。(上の写真にあるバルブを閉めてもいいのですが、念のため大元のバルブを閉めることをお勧めします。)
止水栓についている逆止弁をモンキーを使って取り外しまします。細かい部品が入っているのでなくさないように気をつける必要があります。なお、知人に「かならず左がお湯で右が水になっている。」ということを教わりました。
浄水器に付属している分岐用金具を挿入するために、パイプカッターで銅配管をカットします。この作業は慎重に進める必要があります。カットしすぎるともともとついていた水栓ごと交換することになってしまいます。私の場合は3回に分けて切断しました。
下のように仕上がりました。白く見えるのは止水テープです。
無事終わりましたが、結構大変でした。というのも、分岐用の部品が意外に大きく、写真で分かるように銅管の曲がっている部分に少しかかってしまったからです。銅管はそう簡単には曲がりません!!
上にも書きましたが、既設設備が金属配管の場合は、おとなしくカクダイ7990を買ったほうが無難です
さて、これで前半戦は終了です。次は浄水用の水栓の取付が必要となります。
ネット通販で購入した36mmのホールソーを使用してキッチンの天板に穴を開けます。
我家の場合は左に通常の水栓がついていたので、対象位置の右側に設置することとします。
ここでホールソーの登場となります。ホールソーはキッチンの天板に穴を開けるのと、補強のための木材に穴を開けるのにつかいます。準備すべきホールソーは穴を開ける素材、直径、穴の深さで決まります。建売住宅の場合は天板の素材は(薄めの)ステンレスが多いと思います。
大抵の場合は、水栓の図面から調べる直系を調べて、金属と8mm程度の厚さの木材に対応したホールソーを準備します。
下のように歯をおいて位置決めをしてセンターにマジックで印をつけます。ドリルが暴れてずれないように印をつけたところを少しへこまします。センターポンチという専用工具もありますが、太めの釘とハンマーでもOKです。少しへこむぐらいでいいので、印に釘をあてコツコツとハンマーでたたきます。次にドリルに歯を装着して穴を開けます。ホールソーの中心にあるドリルをマジックの印に合わせて最初はあまり力をかけずにゆっくりとドリルを動作させます。中心にドリルが通ったら、あとは簡単。外側の歯をあてて穴を開けます。穴を開けた直後は、周辺が摩擦で熱くなっていますので注意してください。
ステンレスの天板の場合は、水栓をつける前に木板で補強する必要があります。元々着いていた水栓の状態は下のような感じです。
用意した板(フローリング材の切れ端)を適当な大きさにカットして、下から仮あてをして天板の穴から位置を書きます。あとはホールソーで穴を開け、多目的接着剤をつけて下から押し当てます。仕上がった感じは下の写真。
水栓をつけたら後半戦の山場は終了です。(上の写真はすでに水栓装着後ですが・・・)
あとは浄水器に付属しているフレキ管とフィルター、水道管を接続すれば完成です。